まず「円形脱毛症」とは、様々な原因で毛髪が抜ける病気ですが、年齢は幼児から高齢者まで、症状は軽症から重症まで、広い幅があります。

円形脱毛症にも種類があり、

①単発性通常型：円形に１ヶ所抜ける

②多発性通常型：脱毛斑(はん)が複数できる

③全身型（汎発型）：毛髪・眉毛（まゆげ）・睫毛（まつげ）・体毛まで及ぶ

④蛇行型：側頭から後頭部の生え際が帯状に抜ける

⑤全頭型：頭部全体に及ぶ

などがあります。

基本的には、数週間で自然に治る事が多いとされていますが、治療しても治療効果が乏しく、生涯にわたり脱毛が続く場合もあります。

特に幼少期から始まった場合やアトピー性疾患を合併している場合、蛇行型・全頭型・全身型などの場合は難治性となります。

多くはストレス・神経障害・内分泌異常などの説が唱えられていますが、実は最近は自己免疫疾患が原因である説が有力となってきました。

脱毛部を顕微鏡で調べると、血管から皮膚に集まったリンパ球(白血球の一種)が成長期の毛根を攻撃しているようなことがみられました。

リンパ球に攻撃された毛は萎縮して成長が止まり抜けてしまいます。

免疫とは、細菌やウイルスなどの外敵を認識して排除する生体の防御システムです。

生物は自分の体(自己）とそうでないもの(非自己）を見分ける仕組みを持っています。しかし、何らかの理由でこの自己・非自己の認識が乱れると、自分のリンパ球が本来ならば攻撃の対象となってはいけない自分自身の成分を攻撃するようになります(自己免疫反応）。このように自分で自分を攻撃することが原因となる病気を、自己免疫性疾患と言います。

攻撃される対象が毛根の場合には脱毛症になりますが、ほかにも多くの自己免疫性疾患があります。皮膚のメラニン細胞が攻撃されると、色が抜けて白斑(白なまず)になります。天疱瘡では表皮が攻撃され、全身に水ぶくれができます。皮膚以外にも甲状腺の病気・血液の病気・神経の病気・関節リウマチなどの膠原病も自己免疫性疾患の一つです。

家族内に自己免疫性疾患が多発することもまれではなく、免疫の調節異常をきたしやすい遺伝的素因があると考えられています。しかし、双子(一卵性双生児)でも一方のみに生じることがあり、遺伝的素因のみではなく後天的な環境・外的因子も関与していると考えられています。

脱毛斑が数個までの通常型円形脱毛症は数カ月で自然に治ることも多いですが、病院では育毛剤やステロイド剤を塗って、回復を早める治療を行ないます。

通常型脱毛症でも長いこと発毛しない、発毛しても再び脱毛する方もいます。

脱毛が広範囲にわたる多発型・全頭型・全身型・蛇行型は難治ですので、現在では100％有効で、しかも副作用のない治療法は現在のところ残念ながらありません。

ステロイドの外用、漢方薬・血管拡張剤の内服などは大きな副作用はありませんが、効果も不確実です。ステロイドの内服は効果が非常に高い代わりに、長期間の内服は様々な副作用の危険性があり、避けたい治療法です。

最近では、SADBE 又は DPCP という化学物質を塗って人工的に接触皮膚炎(かぶれ)を起こさせる治療法(局所免疫療法)が試みられるようになり、優れた効果があることがわかってきました。

他に皮膚に浸潤してきているリンパ球の機能を抑制する紫外線照射療法、ドライアイスや液体窒素を外用する冷凍療法などがあります。

当院では、「梅花鍼」と呼ばれる皮膚刺激の鍼治療を行います。

「梅花鍼」は、約２６１０年以上もの歴史があり、通常の鍼灸とは違い鍼山のようなもので叩いて刺激をする治療法となります。

中まで刺さず、皮膚に接触して行う鍼ですので、痛みはそれほどなく鍼治療が苦手という方でも安心して受けて頂く事が出来ます。

中国医学では、髪の事を「血余（けつよ）」と呼び、血液の状態が毛髪の質に影響する事が考えられています。

頭皮環境やカラダのバランスを整える事で、十分な栄養が血液によって運ばれれば、髪の毛の質も良くなり、抜け毛の症状も改善していきます。

また、ポレーションと呼ばれる電療機器を用いて、髪の成長を促す成長因子「毛母細胞成長因子（KGF,FGF-7）」を頭皮から毛根へと浸潤させていきます。

これは、加齢やストレスなどが原因により自分自身で毛母細胞成長因子（KGF,FGF-7）の産生が難しくなるため毛母細胞が働かなくなり、発毛不全・薄毛・抜け毛などの原因になる事が考えられているためです。

通常の塗り薬のようなものでは、なかなか毛根内部へは行き届かない為、医療でも使われる特殊な電気波形を用いて、皮膚バリアを空け毛根内部へと浸潤させていきます。

東洋学と西洋学の融合で、よりよい発毛施術を行います。

薄毛や円形脱毛症でお悩みの方はまずはご相談下さい。

【治療実績】
50代　男性　単発型円形脱毛症

病院に半年通い塗り薬と飲み薬、ドライアイス治療などを施すもの実感出来る程は伸びてこず、不安になり当院を受診。
1ヶ月間は病院と並行して治療していたが、あまり薬での治療が期待出来なかった為に、当院での治療のみで経過観察を行う。

治療

・初月のみ週に１回、2ヶ月目より月に2回鍼灸施術とエレクトロポレーション育毛剤導入を行う

経過

○1ヶ月〜2ヶ月目
毛根のなかった所から、少し産毛がはえてきた。
引き続き鍼灸×エレクトロポレーションにて施術を行う

○2ヶ月～3ヶ月目
毛のない場所の密度が濃くなってきた。
長さも順調に伸びてきている。

○3ヶ月～4ヶ月
完全に髪が生え揃った為完治とする

今回のケースは4ヶ月目で完治となりました。
単発型脱毛症のケースは以内に生えてくる事が多いですが、今回のように生活環境や年齢・体の状態により長引くケースもあります。
不安になりましたら1度御相談下さい。

【治療実績】
60代　女性　多発型円形脱毛症

発症してから１ヶ月以内に来院。
病院では塗薬とステロイドの飲み薬を処方。
腰椎手術後のストレスにより免疫系に異常が生じたとの判断。
頭頂部に２ヶ所、後頭部に２ヶ所の計４ヶ所円形脱毛症を発症する。

当院での治療

３ヶ月間、週１回の鍼灸+エレクトロポレーションによる育毛導入施術を行う。
また、肩こり・腰痛・頭痛症状が強かった為全身のメンテナンスも同時に行う。

経過

・２ヶ月目で黒い毛がポツポツと生え始める。
・４ヶ月弱で頭頂部の毛髪が生えそろってきた為、月３回に減らし経過を見る
お身体のことも考え、病院での内服薬・外服薬も飲まなくなる。
・５ヶ月目で頭頂部の大きな２つの円形脱毛は治癒する。
・６ヶ月目、後頭部の２つも大方生えそろってくる。
・７か月目で頭頂部と後頭部の毛髪が生えそろった為治癒とする。
・後、再発しないよう１ヶ月毎に経過観察中。

今回のケースでは、４ヶ所にも及んだ為少し時間がかかりましたが完治することが出来ました。
円形脱毛症という病気ははっきりとした原因が分かってないので、また再発する可能性もありますので、経過観察をお勧めいたします。

【治療実績】

【悩み】

単発型脱毛症
AGA

２週間ほど前に発症したことに気づき当院をインターネットで調べて頂き来院。
洗髪中に指が頭皮にあたることに気づく。
小学生の時に一度経験あり。

【当院での治療】

半年間当院で鍼灸施術・エレクトロポレーション育毛導入・生活指導にて円形脱毛症完治。

【経過】

◎１ヶ月目：３回の施術
３回目より首・肩・背中の張りが強かった為、頭皮+肩・背中への鍼灸施術を開始する。
◎２ヶ月目：月３回の施術
少しずつ毛根のなかった部分に毛穴が出来始める。
◎３ヶ月目：月１回の施術
あまり時間が取れず来院頻度が減るも徐々に毛根部分が黒くなり始める
◎４ヶ月：月２回の施術
写真でもわかるくらい毛伸び始める。このころからシャンプーする際に毛が当たる感覚を感じ始める。
◎５ヶ月目：月２回の施術
人から髪の毛が生えたといわれるようになる。毛量が増える
◎６ヶ月目：月2回の施術
完全に生えそろった為完治とする

今回は少ない来院頻度での円形脱毛症施術となりましたが、６ヶ月で治癒となりました。
円形脱毛症は１つ完治してもほかの場所で再発してしまうもの。
数か月月１回程度で経過観察を行います。
・４ヶ月弱で頭頂部の毛髪が生えそろってきた為、月３回に減らし経過を見る
お身体のことも考え、病院での内服薬・外服薬も飲まなくなる。
・５ヶ月目で頭頂部の大きな２つの円形脱毛は治癒する。
・６ヶ月目、後頭部の２つも大方生えそろってくる。
・７か月目で頭頂部と後頭部の毛髪が生えそろった為治癒とする。
・後、再発しないよう１ヶ月毎に経過観察中。

今回のケースでは、４ヶ所にも及んだ為少し時間がかかりましたが完治することが出来ました。
円形脱毛症という病気ははっきりとした原因が分かってないので、また再発する可能性もありますので、経過観察をお勧めいたします。