腱鞘炎の症状・原因・治療法｜鍼灸治療で自然なケアを

腱鞘炎は、主に手首や指の過度な使用が原因で発生します。パソコンのキーボード入力、スマートフォンの使用、スポーツ、家事作業などが長時間続くと、腱やその周囲の腱鞘に負担がかかり、炎症が引き起こされることがあります。また、加齢による腱や腱鞘の弾力低下も腱鞘炎を引き起こす要因となります。

腱鞘炎の症状は痛みと腫れです。特に、動かした際や押さえた際に鋭い痛みを感じることが一般的です。また、痛みが進行すると指や手首の可動域が制限され、日常生活に支障をきたすこともあります。

腱鞘炎の治療は早期対応が肝心です。まず、患部を安静にし、必要に応じて冷湿布や温湿布を使用します。軽度の場合、鎮痛剤や炎症を抑える薬が効果的です。さらに、理学療法として超音波療法や電気治療が行われることもあります。症状が重い場合には、手術を検討することがあります。

腱鞘炎の予防には、手首や指の使い方を見直し、長時間の同じ動作を避けることが大切です。適度な休憩とストレッチ、正しい姿勢を保つことで腱や腱鞘への負担を軽減できます。

腱鞘炎は、早期に対策を講じることで重症化を防げます。日常生活での注意や適切な治療を取り入れ、痛みのない生活を送りましょう。

病院・鍼灸院・整体院での施術方法

病院での治療方法

1.保存療法（非手術的治療）

安静: 腱鞘炎を引き起こしている動作を控え、手首や指を安静にすることで炎症を抑えます。場合によっては、サポーターやスプリントを用いて手首を固定し、負担を減らすこともあります。

薬物療法: 痛みや炎症を抑えるために、非ステロイド系抗炎症薬（NSAIDs）を内服したり、塗布したりします。これにより、炎症が鎮まり、痛みが軽減されます。

ステロイド注射: 腱鞘炎が重度の場合、腱鞘にステロイド薬を注射して炎症を効果的に抑えることがあります。効果は強力で、即効性もありますが、繰り返しの注射には注意が必要です。

2.手術療法

保存療法で改善が見られない場合や症状が重い場合、手術を検討することがあります。

腱鞘切開術: 腱鞘の一部を切開して腱が滑らかに動くようにします。局所麻酔で行われることが多く、日帰りでの手術が可能です。手術後は、リハビリを行いながら可動域を回復させます。

腱鞘炎の治療において病院で行われる処置や治療には、いくつかのリスクや注意点が伴います。治療法によっては効果的な反面、デメリットや副作用があるため、治療を受ける際にはこれらを理解しておくことが重要です。

1.薬物療法のリスク

NSAIDs（非ステロイド性抗炎症薬）: 痛みや炎症を抑えるためによく使用されますが、長期間使用すると胃腸障害（胃潰瘍や胃炎など）、腎機能への影響、心血管系のリスクが増加することがあります。

ステロイド注射: 腱鞘炎の炎症を効果的に抑えるために行われますが、短期的に使用する際には効果が高いものの、繰り返し行うと腱の弱化や断裂のリスクが高まる可能性があります。

また、感染や注射部位の痛み、色素沈着なども副作用として挙げられます。

2.手術療法のリスク

腱鞘切開術: 手術によって腱鞘の圧迫を軽減し、腱が自由に動けるようにします。手術は通常成功率が高いものの、以下のリスクが考えられます：

感染: 手術後に感染が起こることがあり、抗生物質の服用や、さらに治療が必要となることがあります。

神経損傷: 手や指の手術中に神経が損傷されると、しびれや感覚の低下が起こることがあります。

回復期間: 手術後の回復期間が数週間から数か月に及ぶことがあり、その間に手を完全に使えないため日常生活に支障が出ることがあります。

瘢痕組織: 手術後に瘢痕組織が形成されると、手や指の可動域が制限されることがあります。

3.理学療法のリスク

超音波療法: 比較的安全とされますが、皮膚の感覚が鈍い場合、過度な温熱がかかりやけどのリスクがあります。

物理的ストレッチやリハビリ: 過度のストレッチや負荷をかけると、腱や筋肉に追加のダメージを与えてしまうことがあります。

4.全般的なリスク

効果が限定的である可能性: 特に慢性の腱鞘炎の場合、治療が必ずしも効果的でないこともあります。症状が完全に改善しない場合、継続的な管理が必要になることがあります。

コストと時間: 特に手術やリハビリ治療にはコストと時間がかかり、仕事や日常生活への影響を考慮する必要があります。

まとめ

腱鞘炎の治療に伴うリスクは治療法により異なります。保存療法は比較的安全ですが、手術や注射療法は副作用や合併症のリスクがあります。治療を受ける際には、医師と十分な相談をし、自分にとって最適な治療法を選ぶことが大切です。

鍼灸・整体による腱鞘炎に対する施術方法

腱鞘炎に対する鍼灸治療や整体施術は、自然な方法で痛みを和らげ、体のバランスを整える効果があるため、注目されています。

鍼灸治療や整体施術を選ぶ具体的なメリットを詳しく解説し、腱鞘炎の治療法としての有効性や他の治療法と比較した際の利点を紹介します。

1.腱鞘炎に対する鍼灸治療のメリット

腱鞘炎は手や指の痛みや腫れを伴い、日常生活に支障をきたすことが多い疾患です。鍼灸は、この腱鞘炎の治療法として次のような利点があります。

痛みを自然に和らげる

鍼灸は、ツボ（経穴）に鍼を刺すことで神経を刺激し、自然な鎮痛作用を引き出します。これにより、腱鞘炎の痛みを即座に和らげ、薬を使わずに痛みをコントロールすることができます。薬物療法を避けたい方や副作用を心配する方にとって、鍼灸は安全で効果的な選択肢です。

炎症の抑制と血流改善

鍼灸によって血行が促進され、腱鞘炎を引き起こす炎症の原因物質の排出が早まります。これにより、患部の回復が早くなり、腫れや痛みの軽減に繋がります。さらに、鍼灸は体の自然治癒力を高め、腱鞘炎の症状を根本から改善します。

2.鍼灸治療の副作用が少ない点

鍼灸は薬を使用しないため、副作用のリスクが非常に低く、体に優しい治療法です。薬物療法による副作用（胃腸障害、アレルギー反応など）を心配することなく、腱鞘炎の治療に専念できます。長期的な管理を必要とする慢性の腱鞘炎にも、鍼灸は効果的で、再発を防ぐための持続的なケアとしても利用できます。

3.全身のバランス調整効果

鍼灸は患部への直接的な施術だけでなく、全身のエネルギーバランスを整える効果があります。腱鞘炎に関連する肩や腕の筋肉の緊張を和らげ、全身の健康を向上させることができます。これにより、腱鞘炎だけでなく、全体的な体調改善も期待できます。

4.ストレス緩和とリラックス効果

鍼灸の施術は、筋肉の緊張を和らげるだけでなく、精神的なストレスも軽減します。腱鞘炎による痛みや不快感がストレスを引き起こすことが多いため、鍼灸によって心身共にリラックスできるのは大きなメリットです。

5.個別に合わせた治療が可能

鍼灸治療は、患者の状態や体質に合わせて施術内容を調整できます。施術者は腱鞘炎の症状に合った経穴を選び、患者一人ひとりに適した治療プランを提供します。これにより、より効果的で持続的な治療が可能です。

まとめ

腱鞘炎の治療法として鍼灸を選ぶことで、自然な痛みの緩和、炎症の抑制、全身のバランス調整、ストレスの軽減といった多くのメリットがあります。特に薬の使用を避けたい方や、持続的なケアを求める方には、鍼灸は安全で効果的な治療法です。